一筋縄では逝かせない★
「判っているんでしょう?私だって何年若に仕えていたのか…」
「ほぼ俺の年齢イコールだろ」
「そうなりますかね……何処で耳にしたんですか?いいですよ言って頂いても」
「…判ってんなら聞くんじゃねぇよ」
兄は前を見据えながら歩き続けました。
「…悪かったな。祖父母(当時の殿様?)が話してるのを偶然聞かせてもらった…俺の城の所為で…」
まさか謝られるとは思っておらず、男は心底驚いた顔をしています。
「じゃあ、私も騙されていたんですね」
男は何故か笑いたくなりました。
「(けど二重人格の事は…?)」
男は何か言いたげな顔をして兄をじっと見ました。
「何だよ。言いたい事があるなら怒ってない今のうちに言っといた方が良いぞ」
兄は何故か威張った様に言いました。