一筋縄では逝かせない★



「他に質問は?終わりか?」



「(く…ッ)」



兄はとても楽しそうに笑いました。



すると男は、すっと手を上に挙げ、



「…もう、いいですよ…」



と諦めたのか、降参のポーズをとりました。



「何聞いても構わねぇよ?生年月日、血液型、趣味、好物なんでも」



「そんなもの、聞かなくても知ってます」



「そう?」



男は諦めたつもりなのに、気付けば下唇を噛んでいました。



「若は…若は楽しかったですか?」



「何が?」



突然の問いかけに兄は男の方を振り返りました。



「私はもう、こんな事はこりごりです」



「そうか?俺は楽しかったけど…面倒臭ぇな」



「(―…それが本心なら、あの時島で泣いていたというのは本物…)」



キジは飛ぶ気も起きず、そんな事を考えていました。



「凄ぇ内容だな(訳判らん)」



犬がコソリと耳打ちしてきました。



「えぇ…」




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