一筋縄では逝かせない★
『……っ』
『生きてる!まだ生きてるぞ!!』
『とりあえずここから移動しよう…!あまりにここは目立ちすぎる!』
二人の男は、地面に横たわる彼女の夫の亡骸に手を合わせると、彼女をそっと、それでいて素早く抱え上げ、その場から立ち去りました。
『……!』
『目が覚めたか!』
『良かった…あのままだったら命はなかったぞ…こいつの手当てのお陰だ』
『な…にが…起こったの…?』
『………ほら!まだ体を起こしちゃいけない!!しばらく寝ていなさい…』
『記憶が混濁しているようだ…あの人に全てを語るには酷すぎる…』
『そうだな…忘れているのなら思い出さない方がいい…』
『どうして……?幼かった頃のことは思い出せるのに…ついこの間のことはどうして思い出せないの…??』
『…家族の写真…か。どうしたんだ、これ?』
『あの人が持っていた…息子がいるんだな…』
『あの場にはいなかったが…?』
『殺されてしまったか…あるいは離れたところにいるのか…』
『どっちにしろ、俺たちにはどうしようもない』