一筋縄では逝かせない★
「もー…ばばあに変なとこ見られた…」
桃子は彷徨いながらもおばあさんの愚痴を言うのは忘れません。
「にしても…あの男。お兄ちゃん騙してたなんて信じらんない!」
そばにあった石を蹴り飛ばします。
「っい゙!」
「…はあ?って!やば。」
桃子はそそくさと草むらに隠れました。
「気のせいだったかな…?」
そう言って顔を出したのが男だったことに桃子はなおびっくり。
「(お、男!)」
口をふさぎ、声を出さないようにします。
しかし、瞬間。
「(いーこと考えたー★うんうん。ちょうどいいわ。1人じゃない。)」
男に近寄り、話し掛けます。
「ねえ、あんた。ちょっとあたしにツラかしなさい。」
「…は?」
男もまたさっきの桃子同様驚いた表情を浮かべこちらを向きます。
「あんた…よくもよくも!お兄ちゃんを騙してくれたわねー!」
桃子は得意の肘うちを男にかましました。