一筋縄では逝かせない★
「桃子さん居ないんですか?」
「そうなんだよ。おてんばが過ぎて困った奴だ」
ハァ〜と兄は溜め息をつきました。
「「(お前も相当だよ…)」」
今日の犬とキジはシンクロ率が高めです。
「あいつもどっか行っちまうし」
「あいつとは?」
「男だよ。会話聞いてたんじゃねぇの?」
「「(バレてるし…)」」
2匹は汗を垂らし顔を見合せました。
「…あいつが何をしたのかは居なかったから、まだ判らねぇけど」
「まだ何か企んでいるんでしょう?」
2匹はこっそりと聞いていた事は置いといて、兄に聞きました。
「それは俺にも判らねぇ」
兄は自分の言葉にシュンとした2匹を見て、
「俺達で食い止めねぇとな!これ以上あいつを辛い目に合わせねぇ為に」
凛とそう答えました。
「そうですね!」
「おう!」
兄も2匹につられて笑いました。
「「(けど、兄も辛かったんじゃ…?)」」
2匹は表側では笑っていても、内側ではそんな事を考えていました。