一筋縄では逝かせない★
「っうげ…」
男はあまりの痛さにお腹を押さえてうずくまりました。
「ざまーみなさい!お兄ちゃんの痛みはこれ以上なのよ!」
ふふっと桃子は笑い、立ち去ります。
「(…あれ?あの人お兄ちゃんになんかしたっけ?ま、いっか。)」
気分屋にも参ったものです。
「いってー…。でも、さすが若の妹さん、そうでなくっちゃ。」
男は立ち上がり、降参、とでも言うように手を上げました。
「さて、機嫌とりにいきますか。」
男は桃子の向かった方に歩きだし、そのまま付いた砂を払います。
男は案外小悪魔のようですね…★
「ったくー、にしても本当にお兄ちゃんたちどこ行っちゃったのかしら…」
桃子はうんざりした顔を空にむけ、ため息を漏らします。
「おてんばなんだから…」
桃子は自分も同じことを言われていることも知らず再び歩きだしました。