一筋縄では逝かせない★
「さて、困ったちゃん達を探すとしますか」
兄は何かを振り切る様に犬とキジへ向けて言いました。
「何か、本当に楽しんでますね…顔がユルユルですよ」
キジは妖しい笑いを感じさせない緩んだ笑いをする顔を指摘しました。
「そうか?…あーでも、今の状況に喜んでるかも」
「「はあ!?」」
2匹は片方の眉を上げました。
「あいつがあんなに俺に楯突いてくるの初めてなんだよな」
へへっと照れた笑いをする兄を見て2匹は黙りました。
「こう…子どもの成長を見守る親みたいだな…お前」
犬は沈黙の中で、そんな事しか言えませんでした。
「では、尚更早く見つけてあげませんとね」
キジは犬に対しての気の利いた答えが見付からなかったので、ニッコリとして兄にそう言いました。