一筋縄では逝かせない★



「はあ…また迷った…」



「桃子さん。」



桃子がまた道に迷っていると後ろから追いかけてきた男が声を掛けます。



「うわっ!何よ!ついてこないでよ!」



「なぜです?ついてこられちゃまずい理由でも?」



桃子は即座に言い返そうとしますが、なかなかいい理由が思いつきません。



「(まさか犬様に見られたくないなんて言えないし…)」



「決定、ですね。」



男はにんまりと笑い桃子の横に並びました。



「足手まといになるだけだからあっちいって。」



それでも桃子は下がりません。



「残念ですが、私はこの森を知り尽くしているので足手まといになんてなるつもりはありませんよ。」



「あんたねえ!」



桃子は男がしていたことをまた掘り出す勇気もでず次の言葉を続けることができませんでした。



「遠慮深いんですね。桃子さんって意外と…。」



男は桃子の考えていることを空気で感じ取ります。




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