一筋縄では逝かせない★
「そんな………」
おばあさんは絶句しました。
「すまん、ずっと黙っておって…」
申し訳なさそうに俯くおじいさんに向かって、おばあさんはおろおろしながら言いました。
「で、でも…それって60年近く前のことじゃないの…どうして今…こんな…」
「それは、桃の中では時が止まっていたからでございます、お母さま。」
桃子が礼儀正しくはきはきととんでもないことを言いました。
「“時が止まっていた”って……ど、どういうこと??わたしも年を取ったのね…頭がついて行けないわ…」
おばあさんは激しくうろたえました。