一筋縄では逝かせない★
「お頭ぁ…」
仲間達の墓の前から動こうとしない鬼の頭(かしら)に心配になった鬼達は恐る恐る声を掛けました。
「お頭ぁ、どうするんですか?あいつ等」
「そうそう!いきなりあんな事言われたって…」
「今だって、俺達の島を勝手に…!」
「どうして言いなりになってるんですか!?」
お頭!お頭!と群がり好き勝手言う鬼達に、
「ゴチャゴチャゴチャゴチャうるせぇんだよ!!ピーピー喚き散らしやがって!黙ってらんねぇのか!てめえ等は!!」
と雷が落ちてきました。
「お頭ぁ…」
自分達の言葉で更に追い込んでいたのだと鬼達は反省しました。
「悪い…言い過ぎた…」
鬼の頭は分が悪そうに俯きました。
「いっいいんですよ!俺達の事なんて…」
「そうそう!頼り過ぎで情けないです…」
鬼達はアセアセと笑いました。
「俺もな。判ってはいるんだが…」
鬼の頭は、一度上げた顔をまた、うーんと唸りながら下げました。