一筋縄では逝かせない★
「疲れてるんじゃないですか?」
「そんな事ねぇよ…考え事してただけだ」
たちまち鬼の頭の表情は曇りました。
「なんなら、自分達に話してくれてもいいんですよ。一人で抱え込まなくても…」
鬼達は頭の顔をじっと見つめました。
「―いいや。それは出来ねぇ」
「―…そうですか…」
下っぱの鬼達の表情が苦しいものへと変わっていきました。
それを見て、
「お前達に頼みたい事がある」
と言いました。
「何ですか!?」
鬼達は滅多にない事に目を輝かせました。
「奴を引っ捕らえてこい」
「「はい…!!」」
言うな否や、鬼達は弾かれる様に駆け出していきました。
「はは…可愛いもんだな…。あ゛〜だるい…」
鬼の頭はあぐらを崩し、地面に大の字に寝そべりました。
その体は熱を帯びていました。