一筋縄では逝かせない★
『助ける、って…』
明らかに動揺した様子の少年に向かって、若い男はあ、いやいや!と慌てたように手を顔の前で振りました。
『あまりにも無理なことを頼むつもりは毛頭ございませぬ…ただ…』
この若を少々そなたの家で休ませてやって欲しいのだ、と男は言いました。
男の腕の中には、いかにも疲れ切った様子の子供…
『そういうことなら喜んでお引き受けします!』
少年はさっきまでの心細さを全く感じさせない、明るい顔で言いました。
『どうぞ…二人ともお入りください!』
戸を開け、家の中に招き入れようとする少年に、男はふと、首を傾げて尋ねました。
『そなた…両親は?この家に1人で…??』