一筋縄では逝かせない★



「(なんか大変なことになってきたわ…。)」



予想もしない出来事におばあさんはしかめっ面です。



「(しかも私も出れない状況じゃない…。)」



おばあさんはとりあえずその状態から抜け出そうと必死に音をたてないよう、歩きだそうとします。



「?!なんかこっちで物音がしたぞー!」



「(はあー?!なんでこんな無駄に動きがいいのよ!)」



そしてどうにも動けなくなってしまったおばあさんはその場にしゃがみこみ、本日初の大きなため息をつきました。



『で、なんでいきなりお母さんのことなんか?』



側ではおばあさんと同じく隠れている桃子たちの声も聞こえます。



「(いいのか悪いのか判らなくなってきたわ…。)」



おばあさんはそう思いながらも息を潜め耳をすましました。



『そろそろ白状しなさいよ。あんたは私に助けられてる。この私にそこまでされて黙ってるなんて、それ相応のリスクを背負うつもりはあるんでしょうね?』



「(あんたが勝手に自分に貸し作ったんじゃない…。)」



おばあさんは呆れながら、本日二回目のため息をつきました。




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