一筋縄では逝かせない★
「う゛…」
「お、やっと起きるのか」
地面に寝そべったままの鬼の頭(かしら)は眉間に皺を寄せ唸りだしました。
「何か様子おかしくないか?」
「確かに、さっきより赤みが増した様な…」
「それに凄い汗」
兄・キジ・犬は目を合わせました。
そして鬼の額に手を触れました。
「熱…っ!熱出てるじゃねぇか!」
兄は思いもよらぬ熱さに、そう叫びました。
「う゛…、響く…」
「あ、ごめん…」
叫び声に目を覚ました鬼は唸りながら寝返りをうちました。
「うーん、いくらなんでもここへ寝かせとくのもなぁ」
兄は呟きました。
「俺の事は構うな…」
「でも…(見るからに辛そう…)」
3人は苦しそうに何度も寝返りをうつ鬼から目が離せません。
「そのうち、仲間も帰ってくる…」
「こんな情けない様を見せるのか?余計心配するだけだろ」
「ここに居なくても心配はする。平気だ」
「(平気そうじゃないから言ってるのに)」
言葉とは裏腹に段々と力をなくしていく鬼に3人も引きません。