一筋縄では逝かせない★
ずっと黙りこくっている少年を見て、男は言いました。
『…突然変なことを言ったな…すまぬ』
そして、男の子の手を引いて、くるりと少年に背を向け、立ち去ろうとしました。
『あ…』
少年はその途端、今までに感じたことのないような恐怖を感じました。
『もう一人はやだよ……』
そう呟くと、ぐっ、と一度目を強く瞑り、少年は大きな声で去っていく男の背中に叫びました。
『あのっ…!一緒に行かせてください……っ!!』
振り返った男は、泣きだしそうな顔をした少年を見て、優しく笑いました。
『…もちろん!』