一筋縄では逝かせない★
「何であいつ居ないんだ?」
「俺達の方が知り尽くしてるはずなのにっ」
2、3人ずつに分かれて男を探していた鬼の班の一つから不機嫌そうな声が洩れました。
「けどお頭が頼み事なんて初めてだからなぁ」
「この先あるかどうか」
2人の下っぱの鬼は嬉々として、先程の光景を思い出し語りました。
「なぁ。墓戻ってみない?居ない気はするけど…」
「そうだな…」
それから2人は他愛もない話をしながら歩きました。
「何かいる」
「お頭じゃないの?どうかしたのかな」
「でも多くないか?」
「皆もいるのかも」
2人は墓の前の何かへ駆け寄って行きました。
「どういう状況だ、これ…」
「うん…」
墓の前には、お頭と兄・犬・キジが地面に雑魚寝という光景。
2人の鬼はまったく付いていけませんでした。
「やっぱり居なかったな、あいつ…」
「うん…」