一筋縄では逝かせない★
『これからはここが…そなたの家だ』
『し…城…??』
『そうだ。そなたにはこれから若の相談相手になってほしい…いや、相談などという難しいことではないか……実はこの城には若と年齢の近い者がいなくてな…ぜひ、若と一緒にいてやってほしいのだ』
『一緒に…』
『そうだ、一緒に…な』
それからの少年の毎日はとても穏やかに過ぎていきました。
時折両親のことを思い出して辛そうな表情をする少年に、男の子は無邪気に話し掛けました。
『ね、遊ぼっ』
そしてそのたび、少年の表情はやわらかく緩むのでした。
―そんな穏やかな日々がこれからも続くと思われたある日。
いつものように男の子と遊んでいた少年の下に、城の者が勢い良く駆け込んできました。
『……話が…こちらへ。』