一筋縄では逝かせない★



『……そうだ』



『やはりそうでしたか』



『いや…そなたの両親の行方をあれからずっと探していたのだが…』



男は観念したように重い口を開きました。



『…一つ、分かったことがある』



『分かったのですか!?父と母の居場所が!』



声を高ぶらせ、今にも男に飛び付きそうな勢いで、少年は言いました。



『いや…その…そなたの両親は……鬼ヶ島に調査に行っていて鬼に襲われて亡くなったのだよ…!』



そんな少年の様子に堪えられなくなったのか、男は最後は息もつかずに一気に真実を告げました。



『鬼…亡く…え…??』



『こんな真実でも…私は伝えるべきだったのだろうか…』



男は自分に問い掛けるように、苦しそうに呟きました。




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