一筋縄では逝かせない★
再び沈黙が続いた桃子と男。
「それにしても。」
男が口を開きます。
「どうして若の耳に入れたくないんです?」
男が桃子を覗き込み、問いました。
「さあー?自分で考えてみなさい。そんなことすら分からないなんて、さすが。馬鹿なことするだけあるわ。」
桃子は罵声を浴びせます。
「そうですね。」
男はそんなこと気にせず、軽く微笑んでかわしました。
「むっ…」
そんな態度の男に桃子は顔をしかめます。
「では。若たちのところに行きましょうか。ここは危なすぎる。」
「…は?」
桃子たちの近くからは自分たち以外の声が、小さく、聞こえてきました。