一筋縄では逝かせない★
「…はっ!」
畑おばあさんは突然飛び起きました。
「ふぃ?」
あまりになかなか起きないのでうとうとしだしていたおじいさんと猿は、その声にむくりと起き上がり、眠そうに目をこすりました。
「…長かったのぅ」
「…ちょっと何なのよこれ…っ!」
「事実じゃ、全て。」
「分かっ…」
いつものように強い調子で言いながらも、畑おばあさんの目は涙でいっぱいです。
「分かって…るけど…!あんな…あんな辛い思いを…っっ!!」
「しかしそなたにはどうしようも…」
「なかったかもしれないけど!…こんなの…酷すぎる…」
「自分を責めてはいかん…今、そなたにできることをするのじゃよ」
「夢の最後に見た息子は…どこかへ向かおうとしてるみたいだった……桃印の旗と…鉢巻き…」
「続きを見るかい?」
「…いいえ。ただ…見せてちょうだい。……息子が今どこにいるか、それだけ」
「了解じゃ☆」