一筋縄では逝かせない★



「―何だこれ…」



鬼の頭(かしら)は自分を中心として、その周りを囲うかの様に眠る舎弟達を見て呆然としました。



「お、おい…」



『くかー』



「お前等…」



『ぐがあー』



「なんっ…」



『ぐぁああーー』



「―…起きろッてめえ等!!何だ、このざまはッ!!!」



鬼の頭はついに堪忍袋の緒が切れ、寝ている舎弟達を怒鳴り付けました。



「ふあ…」



「あ〜よく寝た」



「あ、お頭お早うございます」



寝ていた鬼達は、のそのそと起き上がりました。



「何してんだよ!見付かったのか!?」



まだ冴えきれてない鬼達にお頭は、怒った様に言いました。



『……』



「見付かってねぇのに、のんきに寝てたってのか!?」



怒鳴るお頭に下っぱの鬼達は怖くて声も出ません。



そこへ、



「―…じゃあ、お頭は見付けたんですか?」



という声が恐る恐る割り入ってきました。



よくぞ言った!!という顔で鬼達は勇気ある一人の鬼を見ました。



「―俺は…いいんだよ…」



お頭のさっきまでの威厳はどこへやらです。




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