一筋縄では逝かせない★



ここぞとばかりに、



「寝てたんじゃないんですか?」



と鬼達は小さくなったお頭に集中攻撃をくらわせます。



「ね、寝てねぇよ!あ、あれは…死んだふりだ!」



鬼達の間に白けた空気が漂いました。



「こんな所で死んだふりですか?」



そのまま、じっとりした沢山の目がお頭を見ました。



「熊が出たんだ。死んだふりと言えば、熊だろ!」



「へぇー、熊が」



「その目やめろ!!」



お頭は耐えきれなくなり、また得意の死んだふりをしようとしました。



「見てて情けないからやめようぜ…」



兄はそんなお頭の肩を優しく叩きました。



「うぉ!起きてたのか、お前!」



「そりゃね…そんな怒鳴り声聞こえない方がおかしいよ。完全なる安眠妨害」



兄はお頭の肩の手に力を込めました。




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