一筋縄では逝かせない★
「…森の中…ってどこよ!森のどこよ!!」
「痛い痛い、わしを殴らんでくれぃ」
「息子に…早く会いたいのよ…!何か…胸騒ぎがするの…!!」
「そんなこと言われてもわしにできるのはここまでじゃあ!」
「何よ!王様なんでしょ!?」
ひたすら王様を罵る畑おばあさんに、おじいさんが遠慮がちに口を挟みました。
「わしの背中に乗らんか」
「…は?」
「超高速金ちゃん走りならあっという間に見つかるぞ」
「…っふざけないでよ、こんな時に…」
「ふざけてなんかないぞ!正真正銘、わしの得意技じゃ!!」
おばあさん直伝、とはあえて言いません。
賢明な判断です。
「わしはどうするんじゃー…」
「…王様は俺が背負ってく」
猿はなぜか自信たっぷりに力こぶを作ってみせました。