一筋縄では逝かせない★
「行きましょうよ。」
「ここは相手を探るのが先。」
桃子はどうしてもその人たちが誰なのか気になるようです。
「ちょっと。」
すると桃子はおもむろに、後ろを向いて手招きをしました。
「あの集団、探ってきて。」
それはおばあさんに宛てたものでした。
「はあー?」
おばあさんは自分が隠れていたなんてことも忘れ、桃子の言葉にだるそうにしながら返事をします。
「なんで私が…。」
「私たちのことつけてきてたじゃない。それくらいしてもらわないと。」
ね?と男に同意を求め、再びおばあさんに目をやりました。
「ったく。しょうがないわね。」
おばあさんはそのまま桃子たちの前を通り、その集団の方に歩いていきました。
「単純。」
桃子が呟いたのも知らずに。