一筋縄では逝かせない★
「お頭?…お頭?」
目をつむって黙ってしまったお頭を鬼は揺さぶりました。
けど反応はありません。
「―静かにしろッ黙れッ」
「…え?」
眠ってしまったと思われたお頭に突然小声で叱られ、鬼は思わず聞き返しました。
「不自然に見えねぇ様に静かにしろと皆に伝えろ」
また小声で耳打ちされます。
「何でですか?」
「今はいい。後で判る」
「(何が今起こってるんだ…?)」
鬼は言われるままに皆に伝えてゆきました。
辺り一面、恐ろしい位にしん…と静まりかえりました。
「な、何なの!?」
「おかしいですね…」
男達もあまりの異常な静けさに怯みます。
「(ちょっとやり過ぎたかな…。流石に気付くか)」
お頭はチッと舌打ちをしました。