一筋縄では逝かせない★
ハプニング28



「(なんかいきなり静かになったわ…。)」



どうしたものかしら、と手を顎に持っていき、おばあさんは考えるフリをします。



「とりあえず。あの小娘に報告を。」



おばあさんはもと来た道をそそくさと戻っていきました。



「ちょっと!」



そして桃子は何の収穫もなしに帰ってきたおばあさんに文句をぶつけます。



「なんで帰ってきたの?!それとも誰が何人いたか、わかったってとってもいいのかしら?」



「いきなり静かになったの、あんたたちも気付いたんでしょう?」



2人の会話はいつものとおり、全く噛み合っていません。



「で、何人、誰がいたの?」



桃子はおばあさんの返事を待ちますが、一向に返ってくる気配がありません。



それもそのはず。



おばあさんは見てきていないんだから。



「まさか。見てきてないとか言う?!」



「まあまあ、だったら3人で見に行きましょうよ。」



男の言葉に耳を傾ける余裕が、はたして桃子にはあるでしょうか…。




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