一筋縄では逝かせない★
「っ。しょうがないわね。」
桃子は焦りを悟られないようなるべく冷静に対応しようとします。
「でも、すぐに行くのはまずいわ。」
そう言って、歩きだそうとしている男とおばあさんを止めました。
「向こうが何考えてるのか考えた上でこっちも行動しないと。」
桃子の言葉を2人は黙って聞いています。
「いきなり黙ったってことは、私たちに気付いた可能性が高いわ。」
「まあ、一見そう見えますが。」
「そう見えるとかじゃなくて、気付かれてると思っておかないと!」
珍しく桃子が真面目に話しているので、2人には戸惑いがうかがえます。
「そんな深く考えなくても…。」
「使えないばばあは黙ってなさい。」
普通に考えたらこっちのが人数は少ないし、フリね、と桃子は1人、心のなかで呟きます。
「こりゃー、面白い頭脳戦になりそうだわ。」
桃子は楽しげに、笑って答えました。