一筋縄では逝かせない★



「…誰も見当たらないのぅ…」



猛スピードで突っ走りながら、おじいさんは困ったように呟きました。



「…はぁ!?さっきまでの自信はどこ行ったのよ!!」



「そんなこと言われても…」



「言われても…何よ!」



突然弱気になったおじいさんに、畑おばあさんの罵倒はどんどんヒートアップしていきます。



―と、その時。



「…はっ!」



「…何!?何か見つけた!?」



「いや…気のせいかのぅ…何か結構な数の人影が見えた気が…」



「…え!行きましょ!」



「息子さんそんなにおったんか?」



「…んなわけないでしょこのジジイ!友達と一緒にいるのかもしれないでしょう!?」



「ほぅ…友達が多いのはいいことじゃ!」



「……やっぱりあんたってそういうとこ変わんないわね…その無意味に人をいらつかせる言動…」




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