一筋縄では逝かせない★
「おっせぇな、あいつ等…」
下っぱの鬼に頼み事をしたのはいいものの、なかなか戻って来ない鬼達に苛立ちが募ります。
「―お、お頭ぁああー!!!」
「来たか。おい、もう少し静かに…」
バタバタと慌てながら戻ってくる鬼に少しの期待をしつつ、制しました。
「それが…どこにも無いんですよ」
「はあ!?全部は飲んでないはずだが…」
「そうですよね〜…」
「俺の部屋の床下もか!?」
「え…?」
「…あ」
「そこは探してないです。行ってきます」
「ちょ…待て!!」
「(どこぞの主婦か…)」
なんとかお頭は鬼を引き止めた様です。
「あ、そう言えば。村人達が姿を消していました」
「はあ!?あぁ、でも何も言う権利無いしな…来てもらわなきゃ困っただろうし」
「いいんですね、放っておいて」
「あぁ、それと酒ももういいぞ」
「え?」
「直接行くから。まどろっこしいのはもうやめだ」
するとお頭はスッとその場に立ち上がりました。