一筋縄では逝かせない★
おばあさんと桃子が振り向いた途端。
『―そこに居るのは判ってるんだ。出てきたらどうだ』
「…ぇ…。」
ばれていると分かっていたものの、突然のことに頭がついていきません。
「……なるほど。」
桃子は小さく呟いたあと、少し考える素振りを見せました。
「つまり。向こうは私達がここにいるってこと前提に話してる。」
「ええ。」
「このまま私達が出ていけば確信がなかった今の状況でも、結果オーライよね。」
桃子は男とおばあさんにしっかりと説明します。
「だから。ひとまず次に向こうが動くまで、こっちは動かずにいましょう。」
とりあえずその場をまとめた桃子に、
「普通に考えればそうなるけど向こうがそうも深読みしてるかしら…?」
そしておばあさんはフッと笑いました。