一筋縄では逝かせない★
「出て来れねぇってのか、この腰抜けが!下手に出てやれば―…あ?」
静かな島に裏返ったお頭の声が響き渡りました。
それはそのまま木陰をじっと見つめてきます。
そしてお頭は見つめたまま黙り込んでしまいました。
その他の鬼達も異変に気付き木陰を見つめ、ハッとした表情をし黙ります。
「…何でしょう、こちらを見つめて」
「気味悪…」
―ガサガサッ
「!?」
「…なっ…しまっ…!」
桃子達が気付いた頃にはもう既に遅く、3人の周りは村人によって完全に包囲されていました。
大勢の村人に囲まれ身動きがとれません。
「…くッ」
「何よ、あんた達!グルだったの!?」
こんな状況でも、おばあさんは謎の構えを忘れません。
「グルって訳じゃないけど…」
「見ていて辛くなった…」
そんな事を村人達はブツブツと呟いています。
「―あんたの言ってた通り、本当に村人ってお人好しなのね…」
「だから言ったでしょう」