一筋縄では逝かせない★
お頭の体がピクリと動きました。
「出してやると言ってんだ。耳に入りもしない事を話す必要は無いだろ」
そのまま男を睨み付けます。
「だから…」
「―お前はここへ来た時、鬼など見ていたくないと言ってたな」
「こんな鬼のうじゃうじゃいる島いたくないだろ。望み通りにしてやろうって言ってんだよ」
「望み…?何言って…」
お頭は一呼吸おいて、
「―よく、堪えたな」
と男を見て言いました。
「……ッ!」
男は一瞬怯みかけた体を戻し、逆上したい気持ちを抑え、
「…それがあなたの作戦ですか?」
「あぁ、そうだ」
男は下唇を噛みました。
「(えげつない…)」
そしてお頭を睨み付けました。
「俺からしてみればお前のしたい事が判らん。…お前こそ、何がしたいんだ?」