一筋縄では逝かせない★
ハプニング31
「…はぁっ!?い…っ…許婚ぇぇぇ!?」
「―…で、そいつはどこのどいつでぃ!?」
驚き顔の者の後ろからヒョコっと顔を覗かせたのは、
「せ、船長さん!?どうしてあなたがここに!?」
「気にすんなって!で、そんな幸せ者はどいつでぃ?」
俺も欲しいなぁとまったく聞く気はない様子。
「お尋ねしますが、その手に持ってるのって…」
鬼は恐る恐る船長に聞きました。
鬼と男以外の者は皆、キョトンと船長を見ています。
「これか?俺が陽気に船を乗り回してたら流れてたから拾ってやったのさ。旨そうだろ?」
「それ私の桃!返しなさいよ!」
ガバッとおばあさんは船長から桃を奪い返そうとしましたが、
「こいつはいけねぇや、お嬢さん。これは俺が拾ったんだぜ?」
と返す様子はありません。