一筋縄では逝かせない★



「…っはー…」



その頃猿は、超高速金ちゃん走りですっかり疲労した体を地面に横たえ、真っ青な空を見上げていました。



「…つまりは、」



ぽつりと呟く様子は、どうやら男よりも早く状況を把握したようです。



「あのばあさんはじいさんの昔の許婚でありあの男の……」



猿は一度口ごもり、



「そしてあの男は鬼のお頭の妹を殺した…自分の両親は鬼によって二人とも殺されたと信じて…」



続きをぽつぽつと呟きました。



「なんだかなぁー…」



猿は切なそうに言うと、思考を中断するように瞼を閉じました。




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