一筋縄では逝かせない★
ハプニング32



「俺は固めが好みだな」



「俺は熟しきったやつかなぁ」



船長と犬は放置された事も気にせず桃談義をし始めていました。



「あの引き締まったのがね」



「いやいや、あの皮を剥く時の快感が」



「はあ!?お前さんは剥く派!?」



「断然!で当然だ!」



今にも取っ組み合いになりそうなところへ、



「そういえば、桃食べても何も起こりませんね」



キジがポツリと言いました。



「…キジ…」



「どっかの誰かさんが桃を探すとか言い出すから、やっと手元まで来たってのに」



キジは何か色々刃物を含ませつつ犬を蔑みます。




「まさか、桃を食べたかったからとか、言いませんよね。この期に及んで」



「お前、怒ってんのか?」



「別に…別に出番が無いからって…かと言って犬さんの様にはなりたくない…」



「お前それ、どーゆー意味だよ」



「別に」



「これ喰ってみろよ!文句はそれからにしろ!」



「だから、別にと…」




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