一筋縄では逝かせない★
「それは……この箱を使えば分かるのじゃ」
王様は、いきり立つ男をなだめるように、落ち着いた態度で黒い箱を取り出しました。
「…何ですかその箱。」
「わしが池の底の城から持ち出してきた箱、“全て見え〜る”じゃ☆」
落ち着きつつもどこか事態を楽しんでいるような王様の様子に、眺めていた面々は少し寒気を感じました。
「ていうかそんな馬鹿げた名前だったのかそれ!」
まともに突っ込みを入れたのは犬だけでした。
「…はっ、そんな古ぼけた箱で何ができるっていうんです?私には理解しかねます」
「これをこう、頭にかぶって意識を“知りたいこと”に集中させれば…全てが分かってしまうのじゃ!」
「…おぅ!そりゃあおもしれぇや!ちょいと貸してくれぃ!!」
「了解じゃあ船長さん!これではっきりするじゃろう…」
「俺らの事情をいちばん分かってない奴が実験台になったな…ちょうどいい、って訳か」
猿は寝転んだまま小さく呟きました。