一筋縄では逝かせない★
「…あいつはどこにおった…?」
「…鬼ヶ島です」
「そうか…、やはりな…」
「やはり?」
「いや、何でもない。薬を貰おうか」
「あ、はい!どうぞ」
殿様は男から薬を受け取り、口へ流し入れました。
「…ぐっ…苦い…これにはいつまで経っても慣れんな」
「お体の為ですよ」
男は殿様を布団へと戻しました。
落ち着いたのを確認すると、
「…驚きました…まったく姿が変わっていなくて…」
「…そうだろう」
「本当に変わらないんですね…」
「…あぁ、…私ばかりが老いてゆくな」
「…そんな事は!」
「いいんだ、…会いたい気もするが…恐ろしいな…」
殿様は布団を握り締めました。