一筋縄では逝かせない★
ハプニング33
「ちょっ…。こいつ、今笑ったわよ?!」
今まで不機嫌だった桃子ですが、船長が笑ったことですこし引き気味の顔付きになっています。
「この状況って笑えないわよね?少なくとも!今は!」
「まあまあ、この方が何を見ているかはわしらには分からないんじゃ。黙って待っておれ。」
王様はそんな桃子をなだめました。
「や。あんたに指図されたくない。てか、まずタイミングよすぎない?いきなり桃が見つかってさ…。」
「「(確かに…)」」
一理ある、とみんなは頷きます。
「でも気にしすぎだろ。」
犬は呑気に未だ桃を噛りながら桃子に言いました。
「気にしすぎてちょうどいいんじゃない?気にしなくて私たちはこの男に騙されたんだからさ。」
「(まあそうだがー…。)」
「ふっ。おっしゃる通り。それで皆さんは私に騙されたんですから。疑いすぎってのが良いくらいなのかもしれませんよ。」
男はにっこり笑って桃子に言ったようでした。
「そうよね。」
「(騙してた男のことは信用すんのかよ…。)」
矛盾している桃子に、周りは冷や汗を流しました。