一筋縄では逝かせない★
「殿様っ…何か動き出したようですが…。」
「慌てるな。」
慌てる男を殿様はなだめ、凛とした表情を浮かべます。
「会いに行こう。」
殿様は重い体をゆっくり起こして立ち上がろうとします。
「殿様!お体は…。」
「関係ないだろう。私はずっと覚悟していたのだ。いつかこうする日がくると…。」
男もその姿に止める力を弱め、出かける準備をし始めました。
「お前…。」
「しかし、ちょっとでも無理をしたらすぐに城に戻ります。よろしいですね?」
口元を緩めて男は微笑みます。
「ああ。謝りにいくだけだ。あの2人が揃っている、あの場所で。」
殿様は一瞬、辛そうにしますがすぐにまた、あの凛とした表情に戻しました。
「あの日、鬼ヶ島に行かせたのは私の命令だ、とな。」