一筋縄では逝かせない★
船長はまた箱をかぶり、眠りにつきました。
「今日はお前の初仕事だなぁ。我が息子が継いでくれるなんて、夢の様だぜ」
「うん…」
青年は目の前の海に浮かぶ船に身震いしました。
「ほらっ、行ってこい!あちらさんによろしくな!」
バシンと父親は固まる青年の背中を叩きました。
青年は急いで城へ向かいました。
「―すみません!」
広い城に青年の声が響きます。
「どうぞ」
城の者に通され向かった部屋には、自分より10位年が上だろう男と、見た限り殿様らしい男が待っていました。
「早速だが、今日はこの男と一緒に鬼ヶ島へ向かってほしい。そこにある夫婦が居るはずだ。その二人を乗せて来てくれ」
殿様は一人一人紹介しながら、簡潔に述べました。
「(鬼ヶ島…)はい、承知致しました」
青年は何か違和感を感じながら、頭を下げました。