一筋縄では逝かせない★
「待てよ。キジもいねえぜ?」
「やっぱり!おじいさんが1人で行くわけないと思ったの。キジがそそのかしたのね?!女も一緒に…。」
おばあさんはさっきよりもスピードを上げてうろうろしました。
「鬱陶しいな!てめえそんなにあのジジイが好きか?だったらなんでさっきそう言わなかった?!ったく素直じゃねえ。」
「…ひどい。あんたってどうしてこうもデリカシーがないの?」
そのまま言い捨てておじいさんを探しに行こうとした時、おばあさんは犬に腕を掴まれました。
「ちょ、待て。この変人!…連れてけよ。」
途端、言われたことが聞こえないくらい、腕のぬくもりにおばあさんは大きく心が動かされました。