一筋縄では逝かせない★
「う…わっ、高…ん?」
空高くで必死に目を凝らしていたミッシェルは、視界の端にたくさんの黒い点を捉えました。
「あ…れは…」
ミッシェルは自分をつかんでいる鷲をふっと見上げました。
その目は遥か遠くを見据え、眼下に広がる景色には目も留めていないようです。
「参ったなぁ…バスとかみたいに『降りまーす』って言っても降ろしてくんないんだろうなぁ…」
そうしているうちにも、黒い点はだんだんと自分の真下に近づいてきています。
「…よぅし!」
ミッシェルはがっ、と大きく口を開きました。
そして、
「ごめんね!」
そう呟くと、首を捻って、鷲の足首に強く噛み付きました。