一筋縄では逝かせない★
「!?」
みんなは突然の頭上からの声にばっ、と一斉に顔を上げました。
「…おぉ、ミカエル!」
「だーかーらー、何度言ったら分かるんですか!ミッシェルです!」
「みっしえる…」
「小さいェが言えないんですね…」
「あのぅ、ところでご用件は…」
放っておくといつまでも続きそうな王様とミッシェルの会話に、困惑顔のキジが割り込みました。
「…あ、そうそう!…黒い箱!ってどこー?」
「…これじゃが?」
ミッシェルの言葉に王様は即座に反応して箱を掲げましたが、
「それだけ?」
「…ぱーどぅん?」
直後に漏らされた呟きに首を傾げました。
「…おっかしーなー…僕この辺で黒い箱の気配を二つ分感じたんだけど…」
「こ、これだけじゃぞ!隠してなんかおらんぞ!」
「分かってますって。王様嘘つくの苦手ですから」
「ど、どういうことだ…??」
みんなは黒い箱を見つめながら呆然と呟きました。