一筋縄では逝かせない★
「…あぁ!もしかしてっ!!」
突然大声を上げたミッシェルに、みんなはびくっとしながら視線を向けました。
「な…何…?」
「実はねーっ、噂なんだけど…」
ミッシェルの話はこうでした。
以前おばあさんのように城に捕らえられたある若い男が、脱獄する際に黒い箱を盗みだしてしまった―…
『城の備品が悪党に盗まれたなど、そんなことがばれてしまったら城の威信に関わります』
『話が公にならないうちに本物そっくりの新しい箱を…』
城の者たちは城の威信をかけて新しい箱を作り、何とか危機を乗り切った―…
「…ん?じゃ待てよ…」
猿が、小さく唸りながら呟きました。
「…つまり、今ここにある箱は…スペア…?」
「そして、本物を持つ誰かが、この森にいる…!?」
キジが猿の言葉に応え、呆然と言いました。
「あー、じゃあ君たちに伝言しても無駄なんだ!女神さんはこの噂知らなかったんだな!」
「…え?」
どうやら、また何か一波乱ありそうです。