一筋縄では逝かせない★
「あ!」
「何!?心臓に悪いからいきなり声上げるのやめなさいよ!!」
緊迫した空気を割ったのは船長でした。
そこへすかさず桃子が罵倒。
他の皆も、うんうんと頷きます。
「写真!」
「はぁ?あんた私の話聞いてた?」
「…桃子、口が悪い」
はぁ…と兄が頭を悩ませます。
「写真が何だっつーのよ!」
「…桃子…」
「だから写真だって!―ほら」
船長はゴソゴソとポケットから古ぼけた写真を出しました。
「これ、ここに落ちてたんでぃ」
それを聞くや否や、船長の元へ飛び込んで来たのは、畑おばあさんでした。
「…これ…」
「あん時のかと思って一応とっといたんでぃ、渡せる状況じゃなかったしな。お前さんのだったのかぃ?」
船長は苦笑しながら、固まる畑おばあさんを見ました。
固まっていたかと思いきや、畑おばあさんは船長には目もくれず、男の元へと向かいました。