一筋縄では逝かせない★



「もうすぐ着くぞ。あんた、体調は大丈夫か?」



船長が殿様に心配そうに問います。



「…あ、ああ。」



殿様は何か考え事をしていたかのように返事は上の空でした。



「で、どこにいるか分かってるのかい?」



「あ、若たちですか?…ええ。大体は分かっていますよ。」



「ほーぅ。そりゃ頼もしいや。」



殿様は男と船長の会話を聞きながら少し疑問を感じます。



「(私はあいつらの場所を知ってるなんて聞いてないぞ…。)」



殿様の背中に冷たい汗がつーっと伝いました。



「あれだ。懐かしいな…。」



船長が指差した先にはあまりにも鬼ヶ島に見えない森のような鬼ヶ島が見えています。



「出来るだけ傍に着けてください?殿様が降りるの大変になっちゃうんで…。」



「あぁ…私なら大丈夫だ。」



そうですかー?と呟く男に殿様は冷たい視線を投げ掛けていたのでした。




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