一筋縄では逝かせない★
他の誰にも物を言わせぬ状況なので、男は気付いていましたが仮親子コントを続けます。
「(こんなに変わり果てて…)お返しします」
男はピッと写真を突き返しました。
「…どう?」
畑おばあさんは恐々と男を見上げました。
「どうと言われましても…」
写真を受け取らない畑おばあさんに男は写真を握らせました。
「確かに3人写ってますけど…(自分だろう少年は首から上しか写ってないじゃないか、誰が撮ったんだよ)」
「そうなのよ!家を新築した時のでね、お父様が撮って下さったの。魂とられるって嫌がって」
「(だからピンボケなのか…)」
「家族5人で撮っておけば良かったわね、魂とられてでも…」
「…」
「…やはり、判りません。納得出来ません。記憶のなくなっていた者に言われたって…その写真も証拠にはなりません」
男はハッキリとそう告げました。