一筋縄では逝かせない★
そのまま男は俯きました。
終わりだ、そう思った時、
―バチンッ
「…親を甘く見るんじゃないよ!何年経ったって、姿が変わったって、自分の子ども位判るわよ!大概にしなさい!」
頬に鋭い痛みが走ったと思えば、自称母親からの叱咤。
けど男も負けてはいません。
唇をグッと噛み締め、
「……じゃあ、何で置いて行ったんですか?訳も判らず祖父母に預けられ、一人にされたかと思えば城に連れていかれ…私の人生はあの城です」
「…」
「仕事など言い訳になりません。今更何ですか?何の母親面ですか?……母親だと、よく言えたものだ」
気付かぬうちに、握り拳が出来ていました。