一筋縄では逝かせない★



「ちょっと待て…。」



弱々しくも、どこか強い声が聞こえ男は畑おばあさんとの会話をいったん中断します。



「その方の言っていることは嘘ではない。信じてやってくれ。」



ふと振り返るとダンディーな叔父さんとその家来のような人、漁師の格好をした男。



男は3人の姿を捉えると顔を思いっきり歪めます。



「あんたたち…?」



男が言うと、今まで静かにしていた兄が呟きます。



「…お父様…。」



「「…は?」」



「父ちゃんまで?何してるんでい!こんなところで…。」



船長も驚いたように目を見開いています。



「「(お父様?父ちゃん?)」」



周りが疑問に思っていると殿様が小さく呟きました。



「…私はこの方に鬼ヶ島に行くよう命令した城の者だ。」



突然の展開に皆は戸惑います。



しかし、ミッシェルだけはずっと険しい表情を浮かべていました。




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