一筋縄では逝かせない★
お頭の前には、船に乗せられた男の姿。
男の目はお頭を捉えていました。
「俺の真意が聞きたかったんだろ?それに母親も見付かった、良かったじゃねぇか」
お頭は男を見下ろしながら笑って言いました。
「喧嘩両成敗とは言いたくねぇが…今、お前が話し合うのは俺じゃない」
何かを言わなければ…そう焦るばかりで男の口からは言葉が出ません。
「(言い返せるのは私だけなのに)」
「もう変な事は考えるんじゃねぇぞ」
半場脅して船は島を離れて行きました。
「良いんですか?お頭」
「良いも何も、一生人間なんて見たくねぇ」
小さくなってゆく船を見ながら言いました。